Transalp（XL650V)との日々

世は３連休。増税前云々等マスコミの煽りの中、道路は大渋滞が予想される。とはいえ、やっと暖かくなって来たので外出したい。そんな中なんとなく毎年見に行っているような気がするTOKYO OUTDOOR WEEKEND 2014にふらっと行ってみた。
代々木公園のイベントは結構大好物だ。普段は自転車で行くのだが今回はブラブラしたい気分なのと１０ｋｍ走った後の疲れがあり、電車で渋谷へ。

春休み中ということもありまだ昼なのにすごい人。スクランブル交差点では普段より倍増の外国人観光客が写真を撮っている。ニューヨークでいうタイムズ・スクエアのような感覚なのか。あそこは休日は歩行者天国になっているし、多くのパフォーマーやエントランスの華やか店達が観光気分を盛り上げてくれるが、こちらはただの大きな交差点。しかも随所に喫煙所がありタバコを吸う人が群がっている。その直近で自撮りをする外国人観光客。そのシュールな光景に「YOUは何しに日本へ？」と問い詰めたい気持ちを抑えつつ、イベント会場に向かう。

イベント会場はそんなに混雑はしていない。飲食の出店が少ないこととまだ肌寒いこともあるのだろう。ただの物販系出店群のようになっている。
しかし、日本でいう「お洒落アウトドア」とはこうもステレオティピカルなものなのだろうか。ブースの店員さんのニット帽率の高さ。ものすごく愛想がいいか、もしくはその逆。売っているモノも、木で作ったもの。なんか手作りっぽいパン等。藍色やオフホワイトのナチュラル系のアパレル、もしくは逆にインディアン系やトライブ系のカラフルなアパレルや雑貨。あまりにも調和がとれている。「ほら、かわいいでしょ？お洒落でしょ？」と決まったスタイルを押し付けられているような感じがしてならない。こんなお洒落な雰囲気に飲まれずに自らの道を行くのが私のような孤高のソロキャンパーだ。アウトドアには優秀なギアが大事で、ファッションなどは二の次なのだ。かわいいお姉さんが売っていたカラフルなターバンを購入。

せっかくなのでそのまま代々木公園を散歩。こちらは結構混雑。大人ピクニックような人達、カップルも多い。皆楽しそうだ。ここでふっと気付いた。一人で歩いているおっさんってもしかして私だけなのでは？結婚もしていなければ彼女もいない。そのくせピクニックをするような仲間もいない。そうか、私はこの中でかなり「レア」な存在なのだと。どんなことでも「レア」であることは価値があることだ。レアメタルだって大事な鉱物だし、お肉もレアがうまい。私はまさに「レア人間」なのだ。「レアおっさん」ともいう。なんか楽しくなってきてこのまま原宿へ。

限られた人生の中であなたにとってのポップコーンとは？問い詰めたくなる長い行列を横目に久しぶりの竹下通りへ。さすが春休み。朝の池袋の埼京線ホーム並の混雑。未成年が大半なのだが、たまに独創的な格好をした中年を見かけてびっくりする。ファッションは自分が好きな格好をすればいいと思うのだが、人間本体には手付かずなのが気になる所。普段はスーツスタイルなのだろうか。とはいえ、せっかくなのでトータルコーディネートすればいいのに、と思う。家族の皆さん、アドバイスしてあげてください。

それにしても原宿は「NYで人気！」「ハワイで人気！」という看板だらけ。大和男子である私はこういったメリケン押しには決して惹かれることはない。あちらで人気だから何だというのだ。ま、生クリーム好きなのでちょっとエッグスンシングスを覗いてみようか。そう、生クリームが好きなだけであって、ハワイとかどうでもいいのだ。大体、いつでも食べれるブレックファーストってなんやねん、と。朝ごはんちゃうやんか、と店員さんに突っ込んでやるためにも行かなければ、と思ったのだが大行列で断念。

渋谷まで歩いて戻る。ヒカリエのB3へ。目的はおやつの「アサイー」。ちっと高いのだが、AKB内で流行っているので食べてみたかったのだ。健康食で低カロリーである、ということでの試食であって、決してオタク的なアレではない。ただここも混雑で断念。決してリアル峰不二子のようなスタイルをした奥さんを連れたナチュラルだが高級であることがわかるシンプルな服を着こなしているイケメン中年男性に気おくれしたわけではない。私はGUのTシャツに７８０円のGパンだったが。あまりの胸のトンガリぶりに「ア、アサイ～！」と叫びたくなっただけであって、そのような事件を起こさないために現場を離れたのであって、別に羨ましくなんてないんだから。ちなみにアサイーはヤシ科の植物であって決して感嘆詞ではない。

そういえば一日中誰からも声をかけられなかった。イベント場では他の客には積極的に声をかける店員さんも私にはこなかった。デパ地下の誰にでも試食を強要するチーズ専門売り場でさえも私が見ているにも関わらず通り越して別の客に行っていた。帰る時にふっとそんな事を考えてショーウィンドウに映った自分を見てみた。身長１７９ｃｍ。ロンTからでもわかる隆起する筋肉。肩よりも伸びた髪の毛は今日は下ろしていた。毎週末の１０ｋｍジョグのせいで顔は日焼けして誰よりも真っ黒。私は思った。

「何、この人。怖い」