2015年10月08日
トランザルプミーティング 2015

世間がハロウィンで盛り上がっているこの時期、富士山の麓にひっそりと、日本国内で不人気故にレアとなったバイクのオーナー達が集まるという。この日に向けて日本全国からそのバイクのオーナー達が集結する、トランザルプミーティング、通称トラミと呼ばれるその日に限り、富士山周辺の子供達はその珍しいバイクを見かけた時、「Trick or Transalp?」と言うとか言わないとか・・・。
バイクに乗る理由が無くなり、去年は不参加。バイクを処分しなければ、と考えていたのだがずるずる決断を引き伸ばして、遂に車検の9月に。その時にふっと思い出す。そういえば、トラミの時期じゃなかったか?早速調べてみるとやはり今年も開催されるらしい。記念Tシャツの購入希望は既に締め切り。ふむ。どうするか。選択肢はこうだ。バイクを処分、つまり自分の中では断捨離行為であって、過去に関連するモノを処分して前に進んで行く事。対して、トラミに行く、それは同じバイクの仲間に会うという事だけでなく、何度もお会いしている方々にも会えるという機会。しかしそれは孤独を極めようとする私からすると遠ざけなければならない、親和欲求と認知欲求への依存を意味する。さて、どうするべきか。というか、どうしたいか。車検を受けれる状態か、のチェックもかねてバイクを見に行ってみる。
「断捨離によって何かすっきりするかもしれないが、人間性は簡単には変わらない。過去が消えないように思い出も消えない。だから心の傷も一生治らない。去年休んだ事で2年ぶりのトラミに参加してみるぐらい、いいんじゃないか?それは何もしないよりも少なくとも行動をしている事ではないかね?新しい事、というのは何も初めての体験の事だけを言うのではないのだよ。心身の成長を求め、常に考える努力をしている自負があるのであれば、全ての体験に新しい視点を持って挑めるのではないかね?過去を捨てる=断捨離。ソレこそが凝り固まった考えであり、救済への依存ではないだろうか。何より、俺に罪は無いだろうが。俺のせいにすんなや。アホクソボケが。」
話しかけていたのはお前だったのか、トランザルプ。後半なんか腑に落ちない言葉使いだった気がするが、なんか納得出来て、車検を通す事に。トラミはそれから2週間後の開催。
事前に予定されていたオールナイトのパーティー後、2時間半の睡眠なので疲労が取れず、休憩をたっぷりとるスケジュールにして10時出発。準備万端でエンジン始動。
「ぷす!」
へ?エンジンがまったくかからない。どのランプも点灯しない。これはもしや、バッテリー上がり、それも完全終了状態?それは困る。今日はトラミに行くと決めたのだ。その為の車検だったのに。くそ、トランザルプ、処分しようとしていた事、本気で怒っていたんだなぁ、と微笑ましく思っている時間も無いので、任意保険のロードサービスに泣きつくと、今まで何回でも無料だったバッテリー上がりへの対応サービスが90日に1度に変更されていた。事故を起こしていないのに、料金は毎年減るどころか増えている。で、サービスは低下している。という事は、値上げし続けている、という事だ。こんな所にもアベノミクスの金融緩和政策でデフレ脱却で、結局は安保関連法案の影響、いや、デモがパッタリといなくなったせいだ!と思っていたのだが、まったく関係無く、単純に中高年のバイク事故が増えたために原価が上がり、利益率確保の為の値上げとの事。まあ、保険っていうのはそういう仕組なのだが、であれば30歳以上をひとまとめにせず、高齢者は初心者同様保険料を値上げするのが筋なのだが、そんな正論では選挙で困る人達が多いのだろう。
ロードサービスのバッテリー連結でエンジン始動したはいいが、家から国道に出るちょっとした坂でもエンジンが「プスッ!プスス!」と吹き上がらず、危険な状態。つまり、しばらく走って十分な充電をしないとエンジンを止める事が出来ない、という事。談合坂休憩プランが吹っ飛び、出発は11時半過ぎに。
中央高速。眠い。眠すぎる。しかもお腹が減った。脳に糖分が足りない。更に眠い。休憩も出来ない。眠い。
普段よりも随分スピードを出している。しかし、眠い。ちょっと混雑したらスピードを落とさずヒラヒラ。ああ、危険な運転だなぁ。でも眠い。このままどこかに飛んで行きそうだぁ・・・。
そんな考えがグワングワンと頭をめぐる。い、イカン!2週間前に払った車検費用と自賠責保険費が勿体ない!
人は追い込まれるとどうでもいい事が気になるようで。また、スピードを出し過ぎるとスクリーンが風を完全に止める事が出来なくなり、乗り越えてきた風が痩せてゆるくなったヘルメットをガシガシ揺らしてたまに前が見えない程ずれる。それを治す作業は眠気阻止にもなったが、視界の点ではかなり危険であり、今思うとかなり怖い。
なんとか集合場所の道の駅手前のガススタにて一端停止。そしてエンジンを再始動してみる。
「グオン!」
ふぅ。かかる。これで帰りは休憩が出来る。ほぼ記憶の無い状態で道の駅なるさわに到着。
2年ぶりにも関わらず、多くの顔見知りのメンバー達。とはいえ、新規の方々も未だにいるのがトランザルプの凄さというか、人を惹きつける所というか。いや、購入する人間がマニアック過ぎるだろ!っと、突っ込んでいる私も半笑いでまんざらでも無いのが気持ち悪い。

既に多くのトランザルプ(多少その他も)が集まって。

何年もトラミに通っているが、やはりこのちょいダサな感じ、好き。

円になって自己紹介から不要品・・・いや、物品交換会が催される。毎年高級品やレアものがあったりして、純正品が少ない今、無料でゲット出来る貴重な機会。2年ぶりの参加だが、かなり品数が減った。これも生産中止バイクの悲しい現実か。トランザルプに関係無い品も毎年多数あり・・・。

私はきょうかんさんからのラーメンをゲット!トランザルプどころか、バイクに関係無くなっちゃった!

最期はバイクを並べての記念撮影。なんと私が参加しなかった去年はバイク抜きで富士山バックでライダーのみで広場で撮影したとの事。
(それじゃ、ただおっさんが集合して写真撮っただけなのでは?トラミ関係無くね?)
という事で、今年は原点回帰でバイクを並べて撮影する事に。実は、トランザルの歴史と共にオーナーの高齢化が進んで、重いトランザルプを移動させてまで写真撮影をする事は嫌なのでは?と一瞬おっさんだけ撮影を危惧したのだが、さすがこのわがままボディのバイクのオーナー達。キビキビとあっという間に整列完了。
私と同じXL650Vのブルーが色々お世話になっているりゅうさんのトランザルプ。左に見えるシルバーが主催者松本さんのトランザルプ。同じ型が並ぶ事がこの時しかほぼ無い。この景色が一番好き、というよりもこの光景を見る為にトラミに行っていると言っても過言ではない。

自分も入れて記念撮影。鍛えられた鋼の体がなんかボテっとスタイル悪く見えるのはスマホカメラの性能上の問題であって、決して私自身のスタイルが悪いわけではない。むしろ上半身脱いでも良かった。胸にはガムテの名札付き。

この後は日帰り組みは流れ解散。私は断酒中なので日帰り。それにしても、トラミに初参加した後、数年間は彼女連れだった。しかし、今は1人参加。で、当時1人参加だった人生でもバイクでも先輩の方々が逆に結婚されてパートナーと参加されていたりする。これが月日の流れというものか。もしかしたら私もまたタンデムで参加する事があるのだろうか。そんな淡い期待などとうの昔に無くした。そしてオレンジのトランザルプに心の中でつぶやくのだった。
(ハッピーハロウィーン・・・)
次回更新予告
実はこの日はここからバイクで20分程のハートランド朝霧でネットラジオの旅バイク主催の「旅バイク祭り」が行われている、という情報を事前にキャッチしていた。主催者のratさんとは私にとっては地獄の思い出の「煙突オフキャンプ」で一度だけお会いした事があった。しかし、一度。私からすれば先方は旅バイクのratさんではあるが、ratさんからすれば私は多くのライダーの1人であり、この「1:多」の関係性でわざわざ顔を出す必要性はあるのだろうか?こんなに眠いのに。道の駅から出るまで行く気はなかった。行ったって顔を出すだけなんて意味が無い。キャンプ道具も準備していないし。そして道の駅から出て右折すれば家路へ。左折すればハートランド朝霧。気が付くと左折していた。
そう、あのトラウマを克服しなければならなかったのだ。あの道をもう一度しっかり見ないと。それに意味が無いなんて、誰が決めた?むしろそう思うなら意味がある行動をすればいいじゃないか。悩むなら行動しろよ、知ってしまったのなら見に行ってみろよ。ratさんも奇跡的に喜ぶかもしれないだろ?いや、主催者としては来訪者は誰でも嬉しいはずだよ。そうだろ?だんごまんの旦那!
トランザルプもノリノリだ。
そう、私は寝ていない事と疲労でかなりハイになっていたのだった。
「ぷす!」
へ?エンジンがまったくかからない。どのランプも点灯しない。これはもしや、バッテリー上がり、それも完全終了状態?それは困る。今日はトラミに行くと決めたのだ。その為の車検だったのに。くそ、トランザルプ、処分しようとしていた事、本気で怒っていたんだなぁ、と微笑ましく思っている時間も無いので、任意保険のロードサービスに泣きつくと、今まで何回でも無料だったバッテリー上がりへの対応サービスが90日に1度に変更されていた。事故を起こしていないのに、料金は毎年減るどころか増えている。で、サービスは低下している。という事は、値上げし続けている、という事だ。こんな所にもアベノミクスの金融緩和政策でデフレ脱却で、結局は安保関連法案の影響、いや、デモがパッタリといなくなったせいだ!と思っていたのだが、まったく関係無く、単純に中高年のバイク事故が増えたために原価が上がり、利益率確保の為の値上げとの事。まあ、保険っていうのはそういう仕組なのだが、であれば30歳以上をひとまとめにせず、高齢者は初心者同様保険料を値上げするのが筋なのだが、そんな正論では選挙で困る人達が多いのだろう。
ロードサービスのバッテリー連結でエンジン始動したはいいが、家から国道に出るちょっとした坂でもエンジンが「プスッ!プスス!」と吹き上がらず、危険な状態。つまり、しばらく走って十分な充電をしないとエンジンを止める事が出来ない、という事。談合坂休憩プランが吹っ飛び、出発は11時半過ぎに。
中央高速。眠い。眠すぎる。しかもお腹が減った。脳に糖分が足りない。更に眠い。休憩も出来ない。眠い。
普段よりも随分スピードを出している。しかし、眠い。ちょっと混雑したらスピードを落とさずヒラヒラ。ああ、危険な運転だなぁ。でも眠い。このままどこかに飛んで行きそうだぁ・・・。
そんな考えがグワングワンと頭をめぐる。い、イカン!2週間前に払った車検費用と自賠責保険費が勿体ない!
人は追い込まれるとどうでもいい事が気になるようで。また、スピードを出し過ぎるとスクリーンが風を完全に止める事が出来なくなり、乗り越えてきた風が痩せてゆるくなったヘルメットをガシガシ揺らしてたまに前が見えない程ずれる。それを治す作業は眠気阻止にもなったが、視界の点ではかなり危険であり、今思うとかなり怖い。
なんとか集合場所の道の駅手前のガススタにて一端停止。そしてエンジンを再始動してみる。
「グオン!」
ふぅ。かかる。これで帰りは休憩が出来る。ほぼ記憶の無い状態で道の駅なるさわに到着。
2年ぶりにも関わらず、多くの顔見知りのメンバー達。とはいえ、新規の方々も未だにいるのがトランザルプの凄さというか、人を惹きつける所というか。いや、購入する人間がマニアック過ぎるだろ!っと、突っ込んでいる私も半笑いでまんざらでも無いのが気持ち悪い。

既に多くのトランザルプ(多少その他も)が集まって。

何年もトラミに通っているが、やはりこのちょいダサな感じ、好き。

円になって自己紹介から不要品・・・いや、物品交換会が催される。毎年高級品やレアものがあったりして、純正品が少ない今、無料でゲット出来る貴重な機会。2年ぶりの参加だが、かなり品数が減った。これも生産中止バイクの悲しい現実か。トランザルプに関係無い品も毎年多数あり・・・。

私はきょうかんさんからのラーメンをゲット!トランザルプどころか、バイクに関係無くなっちゃった!

最期はバイクを並べての記念撮影。なんと私が参加しなかった去年はバイク抜きで富士山バックでライダーのみで広場で撮影したとの事。
(それじゃ、ただおっさんが集合して写真撮っただけなのでは?トラミ関係無くね?)
という事で、今年は原点回帰でバイクを並べて撮影する事に。実は、トランザルの歴史と共にオーナーの高齢化が進んで、重いトランザルプを移動させてまで写真撮影をする事は嫌なのでは?と一瞬おっさんだけ撮影を危惧したのだが、さすがこのわがままボディのバイクのオーナー達。キビキビとあっという間に整列完了。
私と同じXL650Vのブルーが色々お世話になっているりゅうさんのトランザルプ。左に見えるシルバーが主催者松本さんのトランザルプ。同じ型が並ぶ事がこの時しかほぼ無い。この景色が一番好き、というよりもこの光景を見る為にトラミに行っていると言っても過言ではない。

自分も入れて記念撮影。鍛えられた鋼の体がなんかボテっとスタイル悪く見えるのはスマホカメラの性能上の問題であって、決して私自身のスタイルが悪いわけではない。むしろ上半身脱いでも良かった。胸にはガムテの名札付き。

この後は日帰り組みは流れ解散。私は断酒中なので日帰り。それにしても、トラミに初参加した後、数年間は彼女連れだった。しかし、今は1人参加。で、当時1人参加だった人生でもバイクでも先輩の方々が逆に結婚されてパートナーと参加されていたりする。これが月日の流れというものか。もしかしたら私もまたタンデムで参加する事があるのだろうか。そんな淡い期待などとうの昔に無くした。そしてオレンジのトランザルプに心の中でつぶやくのだった。
(ハッピーハロウィーン・・・)
次回更新予告
実はこの日はここからバイクで20分程のハートランド朝霧でネットラジオの旅バイク主催の「旅バイク祭り」が行われている、という情報を事前にキャッチしていた。主催者のratさんとは私にとっては地獄の思い出の「煙突オフキャンプ」で一度だけお会いした事があった。しかし、一度。私からすれば先方は旅バイクのratさんではあるが、ratさんからすれば私は多くのライダーの1人であり、この「1:多」の関係性でわざわざ顔を出す必要性はあるのだろうか?こんなに眠いのに。道の駅から出るまで行く気はなかった。行ったって顔を出すだけなんて意味が無い。キャンプ道具も準備していないし。そして道の駅から出て右折すれば家路へ。左折すればハートランド朝霧。気が付くと左折していた。
そう、あのトラウマを克服しなければならなかったのだ。あの道をもう一度しっかり見ないと。それに意味が無いなんて、誰が決めた?むしろそう思うなら意味がある行動をすればいいじゃないか。悩むなら行動しろよ、知ってしまったのなら見に行ってみろよ。ratさんも奇跡的に喜ぶかもしれないだろ?いや、主催者としては来訪者は誰でも嬉しいはずだよ。そうだろ?だんごまんの旦那!
トランザルプもノリノリだ。
そう、私は寝ていない事と疲労でかなりハイになっていたのだった。
Posted by だんごまん(BETA) at 22:57│Comments(2)
│トランザルプミーティング
この記事へのコメント
お疲れ様でした。
2013の記事を改めて読んだら、なんだ今年と同じ様な事してるね(笑)
私も旅バイク祭りは頭によぎったけど、時間の関係であきらめました。
PS 今度は自宅にも是非襲撃しにきてくださいね。
2013の記事を改めて読んだら、なんだ今年と同じ様な事してるね(笑)
私も旅バイク祭りは頭によぎったけど、時間の関係であきらめました。
PS 今度は自宅にも是非襲撃しにきてくださいね。
Posted by りゅう at 2015年10月15日 14:10
>りゅうさん
お返事遅くなりました。
りゅさんのバイクの後ろについて駐車場を出るまでは私も旅バイク祭り、行こうと思っていなかったのですが、急に気が変わって左折しました。
ご自宅襲撃、本当にしちゃいますよ~。
お返事遅くなりました。
りゅさんのバイクの後ろについて駐車場を出るまでは私も旅バイク祭り、行こうと思っていなかったのですが、急に気が変わって左折しました。
ご自宅襲撃、本当にしちゃいますよ~。
Posted by だんごまん(BETA)
at 2015年10月27日 17:04

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